買ってはならない本

 一般に古本の買わない本を列挙してみたいと思います。

 

百科事典

 仕入れの電話で一番多いのが百科事典です。中身が古くなれば勉強には使えないし、数字や勉強なども変わる。十年以上たてば、車で言えば廃車同然です。

 

文学全集 

 これも売れなくなりました。円本時代の揃いものなら売れます。

 高度経済成長時代の今の棚飾りという目的の文学全集でしたが、今頃になって、その役目を終えたようで処分されるようになったようです。読まれていないものが多く、開くとページがバリバリと音を立てる時もあります。しかし、何よりも気をつけなければならないのはカビです。一冊だけカビがあるのは稀で、大抵はすべてカビがついてます。注意しましょう。

 

美術全集

 これも時代の棚飾りとしての役目がほとんどでした。いつまでも開かれず、実にさみしく孤独な本です。古い全集よりも、現在の全集のほうが印刷が綺麗なので、美術全集はあまり売れないのです。

 現代の殺伐とした時代、ストーブの前でゆったりとソファに座ってシャガールを鑑賞するなんて家庭はないでしょう。こんな世の中では美術全集が売れないのもうなずけます。

  

月刊雑誌

 月刊雑誌がすべて売れないということではありません。月遅れの雑誌だけを取り扱っている古本屋は戦前は各地にありましたし、現在も雑誌のバックナンバーだけを置いた雑誌専門の古本屋が立派に存在します。

 ただ、店が狭いと、あれもこれもと自由に並べることはできません。かさばるし、本棚にまっすぐに立ってはくれません。さらに、すぐに破れるので、貴重なものはビニールに入れなければいけません。雑誌は手がかかるのです。

 どんな週刊誌や、月刊誌でも四十年、五十年たつと別です。特集号などは貴重な資料になります。

 古いものと、創刊号は別段値がつきます。創刊号マニアというのがいるからです。

 

過ぎたら終わりの本

 いわゆる賞味期限のある本です。例えば、消費税関係の本です。過ぎてしまえば終わりです。法律、経営、経済のその時代で必要なハウツウ本は鮮度が問題になります。

 時代を映すのが本なら、時代と共に価値を失うのもまた本です。その中から、今後も売れると確信したものが古本屋によって救われるのです。